停電中に冷蔵庫を動かすのに必要な容量の目安
最終確認日: 2026-10-07
停電中も冷蔵庫を動かし続けたい場合、ポータブル電源では「どれだけの電気をためておけるか(容量・Wh)」と「どれだけの電力を出せるか(定格出力・瞬間最大出力・W)」の両方を確認します。このページの数値は、シミュレーターと同じ家電データと計算の前提で求めた目安です。
平均の電力は年間消費電力量から求める
冷蔵庫はコンプレッサーが動いたり止まったりを繰り返すため、いつも同じ電力で動いているわけではありません。容量を考えるときは、製品の仕様に表示されている年間消費電力量(kWh/年)から、平均の電力(W)を求めて使います。
平均W = 年間消費電力量(kWh/年)× 1,000 ÷ 8,760時間(365日 × 24時間)
シミュレーターは、冷蔵庫について次の値を使っています。
どちらも代表例として選んだ1製品の値です。小型の冷蔵庫でも年間消費電力量が大きい場合があります(この例では冷蔵庫(150L級)のほうが冷蔵庫(400L級)より大きい値です)。お使いの冷蔵庫の年間消費電力量は、本体のラベルや取扱説明書、メーカーの仕様ページで確認できます。
1日分の容量を計算してみる
冷蔵庫(400L級)を例に、1日(24時間)分の容量の目安を順に求めます。
- 1日に使う電気の量: 28.7W × 24時間 = 688.8Wh
- ポータブル電源のAC出力は変換の損失があるため、変換効率80%で割ります: 688.8Wh ÷ 0.8 ≒ 861Wh
- 電池の劣化や低温、見積りの誤差に備えて余裕率1.2倍を掛けます: 861Wh × 1.2 ≒ 1,033Wh
シミュレーターは1時間ごとに残量を計算し、10Wh単位で切り上げるため、24時間の停電では「容量1,040Wh以上」と表示されます。
停電時間ごとの容量の目安
冷蔵庫だけを使う場合の目安です(停電開始18時、ソーラー充電なし)。数値を選ぶと、同じ条件のシミュレーター結果を開きます。
冷蔵庫は1日中動き続けるため、必要な容量は停電時間にほぼ比例して増えます。ほかの家電と組み合わせた例は停電1日・2日・3日に必要な容量の目安に、ソーラーパネルで充電しながら使う例はソーラーパネルで1日に充電できる量の目安にまとめています。
出力(W)も確認する
容量が足りていても、出力が足りなければ冷蔵庫は動きません。シミュレーターは次の2つを確認します。
- 冷蔵庫(400L級): 定格出力150W以上、瞬間最大出力450W以上
- 冷蔵庫(150L級): 定格出力100W以上、瞬間最大出力300W以上
定格出力は運転時の電力から、瞬間最大出力は運転時の電力の3倍として求めています。コンプレッサーは動き始めの一瞬に運転時より大きな電力が必要になる場合があるため、安全側に見込んだ仮定です。実際に必要な電力は製品によって異なり、仕様に書かれていないことが多いため、心配な場合は冷蔵庫のメーカーに確認してください。
実際の消費電力量が変わる理由
- 年間消費電力量は JIS C 9801-3:2015 で算出方法が決められています。周囲温度16℃と32℃で測定した1日あたりの消費電力量に、それぞれ160日と205日を掛けて合計する方法です(規格本文の式(4))。
- つまり、決められた温度条件の測定から計算した値です。実際の設置場所の室温、扉を開ける回数、入れている食品の量、霜取りの動作などによって、実際の消費電力量は変わることがあります。
- 平均Wは1年を通した平均です。暑い時期など、平均より多くの電気を使う日もあります。
- 停電時は扉の開閉を減らすなど、使い方でも電気の使用量は変わります。計算結果は目安として、余裕を持って選んでください。
参考
- 日本産業標準調査会(JISC)(JIS C 9801-3:2015 の規格票は JISC のサイトで検索・閲覧できます)
- 資源エネルギー庁 トップランナー制度 電気冷蔵庫